長時間立っていると、腰がつらくなる理由

長時間立っていると、腰がつらくなる。

「筋力が足りないのかな」と思う方も多いかもしれません。

でも、原因はそれだけではありません。

人間は、基本的に楽をしたがる生きものです。
筋肉を使うことはエネルギーを使います。
できるだけ消耗しないように、無意識に“より楽な方法”を選びます。

疲れたとき、壁や背もたれにもたれかかりますよね。
あれは、筋肉を使わずに支えてもらっている状態です。

では、壁も背もたれもないとき、どこによりかかるか。

多くの場合、骨によりかかっています。

よくある「やすめ」の立ち方。
片脚に体重を乗せて、骨盤を横に押し出す姿勢。
筋肉をあまり使わずに立てるので楽ですが、明らかに骨盤は片側に傾き、体重は一部に集中します。

その状態を何年も続ければ、身体が偏っていくのは自然なことです。

 

職業によって、その偏り方は違います。

販売員の方は、立ち仕事が長く、「やすめ」の姿勢になりやすい。

料理人は、細かい作業をするために前かがみになりやすい。

介護職の方は、前傾姿勢に加え、人を抱える重さがかかる。

清掃の仕事は、下を向いて拾う動作が多く、背中が丸まりやすい。

赤ちゃんを抱っこするとき、お腹を少し前に出して下腹部の上に乗せる方が楽。
その結果、反り腰になりやすい。

オフィスワークの方は、長時間同じ姿勢で固まりやすい。

ダンサーは、筋力もあり、アライメントも求められる職業なので、一般の方より整っていることも多いですが、酷使やケア不足による大きな怪我も少なくありません。

つまり、
多くの人の生活は、アライメントを維持するために理想的とは言えません。


むしろ、
少しずつ崩す方向に働く生活をしていることの方が多いのです。


意識しなければ、アライメントは自然に保たれるものではありません。

骨も筋肉も、使わなければ弱まり、偏って使えば硬くなります。

だからこそ、長時間立っているだけで腰がつらくなる。

それは、弱いからではなく、
一部に負担が集中しているサインかもしれません。

まずは、
固まって動きにくくなっている部分をほぐし、可動域を取り戻していくこと。

そして同時に、
本来使われるべきお腹まわりや背中、脚の筋肉にもう一度スイッチを入れていくこと。

整えるとは、
骨格を外から押して変えることではなく、
動きの中で使える状態に戻すことです。

そのうえで、
長時間立っていても崩れないための支える力も少しずつ育てていきます。

ほぐすことと、鍛えること。
どちらか一方ではなく、両方を同時に行うことで、身体ははじめて安定します。

腰に負担が集中している状態を見直し、固まった身体を動ける状態に戻しながら、支える力も少しずつ育てていくこと。

ほぐすだけでも、鍛えるだけでもなく、その両方を同時に行うことで、身体は安定しやすくなります。

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